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強さのヒミツは「ガイドライン工法」

強さのヒミツは「ガイドライン工法」

強さのヒミツは「ガイドライン工法」

ガイドライン工法の一例

従来の工法

瓦屋根が耐風にも地震にも強いヒミツは「ガイドライン工法」

かつては粘土で葺き固めていた瓦を、ガイドライン工法では釘や銅線、金具類を使って躯体と緊結します。

このガイドラインは平成13年に業界の基準として策定されました。確認されている耐震性能は、地震の影響を受けやすい「棟部」の場合で1G(980ガル)です。上写真は東日本大震災の屋根被害です。左側はガイドライン工法と思われる棟部。強い地震力で変形してしまいましたが、崩れることはありませんでした。右は古い建物の棟部です。土の固着力が失われています。図は、左側がガイドライン工法の施工図の例です。

ガイドラインは試験方法を定めているので、その試験に合格した工法であれば所定の性能が満たされており、様々なガイドライン工法があります。図右側の緊結材が入っていない工法の場合、早めの点検をおすすめします。

地震による建物倒壊の原因は?

地震による建物倒壊の原因は?

左図は、木造住宅の倒壊原因を模式的に表したものです。
専門家は以下のように指摘しています。

専門家も「瓦は倒壊要因でない」

「木造建物のおもな倒壊要因は壁量不足。昭和56年の建築基準法改正以前の建物で多く見られます。
逆に、改正以降に建てられた建物では、屋根の重さにかかわらず被害はとても少ないのです。
こうした建物は耐震性能は劣化しますが、古い建物は瓦屋根の場合が多いので、建物の耐震性に比べて重量過大になってしまうケースもあります」。

つまり、古い基準で作られた建物は壁量が不足しており、経年により接合不良や白アリ被害も重なって耐震性が劣化します。同時に古い建物ほど瓦屋根が多いので、瓦屋根の建物の被害が目立つ、という指摘です。

”町全滅”はテレビの中のこと

石川県

新潟県

能登半島地震や中越沖地震など近年の大きな地震被害で、各自治体が行った住宅の被害率調査を見てみると、被害が最も多かった地域でも、「全壊」「半壊」を合わせた被害はほんの数パーセントです。

今回の東日本大震災でも、地震による「全壊」 「半壊」は「地震の規模の割に少なかった」と日本建築学会が発表しています。

ここがポイント

  • 実際の地震被害は一部の建物
  • 被災地の被害率は想像より低い
  • おもな倒壊原因、古い家の「壁量不足」